おコメ博士の闇米日記

日本農業(特におコメ)について考えるブログです。

【雑記】New Yorkに行ってきた

羽田からJFK空港(ニューヨーク)へのフライトは長かった。サービスがいい日本航空便とはいえ、185cm・83kgの日本人離れした大きな体躯をもつ僕にとっては、3列シートの中央席は、競走馬が走りだす時に入れられる身動きのとれないゲージのようなものだ。両側の窓からも最も遠いいため、僕は日本国土も太平洋もアメリカ本土の風景も目にせぬまま、約13時間のフライトをヘトヘトになりながらやり過ごしたことになる。(それでも機内でみたQUEENの自伝的映画『ボヘミアンラプソディー』は素晴らしかった。ロックとは何かを教えてくれ、QUEENをもっと好きになれる映画である。)

f:id:mroneofthem:20190316090441j:plain

ニューヨークの中心駅セントラルパーク。歴史ある建物で存在感がある。

さて、そんな話は雑談だが、昨今は日本政府も農作物輸出に大変積極的である。それは言い換えると、国内で完結するコメの生産と消費のサイクルに見切りをつけたということなのだが、それも当然といえば当然だ。実際、国内のコメ消費量は年々減少し、作ったところでハケる先がない。コメが余るので値段は上がらない。コメ農家の収入はあがらず、時給換算したらコンビニアルバイトの方がよっぽど稼げるので後継者は育たない。先祖伝来の農地は荒れるばかりだ。第一そんな話は今にはじまった話ではなくて、生産量が消費量を上回っちゃった1970年頃の昔から言われてきていることなのである。

f:id:mroneofthem:20190316090514j:plain

ニューヨークの夜景。まだ見ぬ日本産コメ好きがここには眠っているはずだ。


そんなジリ貧的国内のコメ事情の推移の中で、物流事情が日進月歩で改善し、ネットで瞬間的に発注や決済ができ、モノ・人・金がグローバルに動く今のような時代では、経済活動を国内だけで完結しようという考えそのものがナンセンスになってくるのも自然な成り行きだとは思う。人口がドンドン増加して市場がこれから大きくなってゆくような発展途上国ならまだしも、日本のような人口減が明らかな国では特に、である。だから農作物に関しても、まぁ色々と考慮しなければならないことはあるけれども、輸出にある程度のリソースを割いていこう、というのは合理的な方向性だと思う。ポジティブに考えれば、日本というエリアは1億を下回ってゆく市場だが、世界全体でみれば100億を上回るだろう市場になる、しね。

f:id:mroneofthem:20190316090554j:plain

日系スーパーは大繁盛。お金さえあれば何でも揃う。不都合は納豆がそんなに美味しくない(冷凍だかららしい)、ってくらい?

前置きが長くなったが、僕がNew Yorkを訪問したのも多かれ少なかれそういう日本コメ事情の流れと関連している。New Yorkは十年前と比べると日本飲食店がどんどん増加していて、レベルも上がっているという。ラーメンや寿司や居酒屋を街中で結構みかけるし、日本酒に興味をもっているアメリカ人も増えているようだ。ニューヨークに酒蔵を作っちゃったアメリカ人もいるようだしね↓

r-tsushin.com

実際、日本産米の評価は高いんだ。アメリカの市場ではカリフォルニア産のコメが主力で、カリフォルニア産コシヒカリが売られているのだが、品質向上の努力が積み重ねられているとはいえ、まだ日本産米との差はあると個人的には感じている。当然カレーとか丼ものにすればコメの存在感が相対的に薄まるので、OKなコメのストライクゾーンは広がるのだが、寿司ロールのような冷めて食べるコメというジャンルでは、まだまだ日本産米との差は大きい、と個人的に思う。ハワイの某コンビニ店で食べた寿司ロール、これとても食べられなかったので。。。

www.mroneofthem.work

実際、日本に帰ってきて「コシヒカリ」や「ゆめぴりか」や「ななつぼし」を食べてるけど、コレが美味しく感じるのよ。

懸念材料としてはまだまだ日本産米の物量が少ないので、例えば精米2年前のコメが普通に店頭で売られていたりと、品質を担保しようとする意識は低めな所だろうか。長期的にみると値段では勝てない日本産米なので、品質にこだわる点は譲ってはいけないだろう。そこは日本産米の生命線で、特に新規のお客さんに低品質のコメを食べさせてしまうとその経験が日本産米のイメージに定着しかねないからね。そういえば中学生の時には先生よく言われたな。「中学校のジャージを着て外で悪いことをしたら、中学校全体の評判が落ちるんだからね!」と。まぁ日本産米もそういう話なのです。

f:id:mroneofthem:20190316090729j:plain

スーパーに並ぶカリフォルニア産短粒種。コシヒカリとか。コスト意識に厳しい日系飲食店も、安いので結構カリフォルニア産を使っている。

その他もまだ面白い話もある。「コメ」ときくと日本人は値段と味を気にすると思うけど、外国市場だと健康意識が高い人がとっても多いので(日本人が健康を気にしなすぎる、という風に言った方がいいかもしれないが)、そのコメを食べることでどんな健康的メリットがあるか、という見方も結構ある。サラダに大麦や玄米を入れたりするのって、アメリカじゃ普通なんだよね。そういう風に、日本人の脳みそでは想像つかないような価値があるのだから、海外市場というのは面白い。

f:id:mroneofthem:20190316090654j:plain

大麦サラダ。こんな感じのサラダを朝食にしたりする人、結構いる。味は「美味しい!」ってものじゃないんだけどね。

国内消費も国外消費も、結局はコメを作って食べてもらう、って行為に過ぎないのだが、食味嗜好が違い、感性も違い、重要とする価値観も違って、コメに対してのイメージや要求も違うので、「輸出」はまったく違うゲームだと思った方が頭の整理はつけやすい。日本人的なコメの固定観念をとりはらって、ゼロから「コメとは何か」を考え直す必要があるかもしれない。ということで僕も、そもそもコメってどういうものなのか、を根本的に勉強し直そうかな、と思っているのでした。

 

 

 

メイドイン『米国』の”米”を食べてみた #1 BOTAN(286円/kg)編

 

ドン・キホーテといえば、中毒性のある「ドンドンドン♪、ドンキー♪、ドンキーホーテー♪」の狂った音楽が有名なディスカウントショップだが、このグローバルな時代、その狂ったフレーズが繰り返される場所はなにも島国日本に留まらない。


ドン・キホーテの歌 Theme of Don Quixote

ワイハのドンキで『米』を物色

昨年のXmasシーズン、日本米PR活動の一環でハワイ・ホノルルにいたワタクシだが、日本と変わらぬ様子でドン・キホーテがあることには驚いた。聞くに、いまやハワイにもカリフォルニアにも、ドン・キホーテの店舗が進出しているらしい。

もう今の時代、セブンイレブン吉野家丸亀製麺も世界中にあるんだよね。

f:id:mroneofthem:20190211132451j:plain

さて、ハワイのドン・キホーテでは、さすがにあの中毒的音楽はかかっていなかったのだが、「安さの殿堂」はUSAでも健在で、日本モノもアメリカモノも比較的安い値段で売られている。

もちろん米もだ。驚くべきことに、ハワイでは玄米食の認知度が高く、玄米コーナーが充実してるってのも売り場の特徴の一つなのだが、米一つにしても色々な種類が売られている。日本のスーパーの米コーナーよりも、断然品数も販売面積も多いのだ。

さて、今回のブログ記事のタイトルからお察しできるように、なんといってもワタクシの関心があったのは米国産の米だ。

なんてったって『米国』である。米国に来て、米国産の米を食べない理由はない(そうでもないか。)。

まぁ、特に昨今は自由貿易の流れで米国産の米が日本に入ってくるとか、逆に日本産米が米国市場に打って出るだとかで、米国の米って実際どうなのかを知ることは、米業界人にとってはかなり重要な話、と思っている。ってことにしておこう(実際はただの知的好奇心かもしれないが)。

**********************

不味い?美味しい?米国の米

さて、米国産の米の評価だが、個人的にはかなり分かれているという気がする。

つまり「美味しい」って評判も「不味い」って評判もどっちも聞く訳だ。身近な日本米関係者はたいてい米国産の米を「まずい」って言ったりすることが多い。ただ、それは日本産米は良いよねって言いがちな、中立じゃないポジションの人なので、ちょっと怪しい所があると疑り深いワタクシは思ってしまう。日本人は基本的に、日本っていいよね、と無条件にいいたがるからね。

という訳で、仮にもおコメ博士というアカウント名でブログをやっている以上、客観的に米国産の米を評価してみたいとワタクシは思った。ワタクシの性格上、自分が試してみて初めて納得することがとても多いのである。

そんなこんなでドン・キホーテの米コーナーで日本人のワタクシはまじまじと米を物色した。米国産米といっても結構レパートリーがあって、カルローズ米もあればコシヒカリもあるし、オーガニックもあれば慣行栽培もあり、価格帯もかなり違ったりする。アレもコレも試してみたいのは山々だが、米ってのはべらぼーに重いので、3種類の米を厳選し購入することにした。お買い上げした米国産のお米は、左から順に、ボタン、玉錦、田牧米ゴールド、である。

f:id:mroneofthem:20190211145226p:plain

左から順に①カルローズ米BOTAN 286円/kg ②カリフォルニア産コシヒカリとゆめごごちのMIX玉錦 559円/kg ③カリフォルニア産コシヒカリ田牧ゴールド 789円/kg

結局、これらの米は日本にまで持ち帰って、日本の高級炊飯器で買って食べてみた、というのが本ブログ記事の趣旨なのだが、実はハワイにいる間にも米国産米を食べる機会があったことも予備情報として告白しておこう。

しかしまぁ、少なくともセブンイレブンで買ったスシロールはまったくダメだった。冷めると米の質の違いが出やすいのはあるのだが、食感もグニョッとして、米の味も悪く、寿司酢が米をより不味く感じさせている。ワタクシはスシロールを一口食べて、「うへっ」とつぶやき、そっと『ごめんなさい』をした。それくらいちょっと食べられないレベルだったのである。

でも結局この米がなんの米(銘柄や産地)なのかは分からなかったんだけどね。。。 

 

286円/kgのカリフォルニア産カルナローリ「ボタン」のその味は

もう一度ボタンの米のパッケージをまじまじと見てほしい。

f:id:mroneofthem:20190213001825j:imageワタクシら日本人も、パンやパスタのパッケージに英語を使うことなのはザラなので、他人のことを言える立場でもないのだが、カリフォルニア産の米のパッケージに日本語や漢字が使われているとちょっと「ん?」と思ったりする。

もっと江戸っ子的に言うと「ふてぇ野郎だ」という所だろうか。f:id:mroneofthem:20190213001832j:imagef:id:mroneofthem:20190213001838j:imagef:id:mroneofthem:20190213001845j:image

余談はさておき、さっそくボタンの味についてだ。

今回の炊飯環境は、某S社の8万円近い土鍋型電気炊飯器だ。通常は我が家では「ゆめぴりか」が常食で、この炊飯器でかなり良い炊きあがりをみせている。今回は米国産の米をはるばる太平洋の上を通って持ち帰り、我が家の高級炊飯器で炊こうという訳だ。

さてさて、ボタンの炊きあがりは、一見おいしく炊きあがったように見えた。しかしよく見てみると光沢はかなり少ない(写真をとりわすれた)。一方で匂いに関しては、そこまで嫌なものは感じなかった。

味の方は、一口たべた時はちょっと「おっ?」と思ったのだが(炊きあがりの米ってのは強いからね)、噛んで味わうとやはり味の違い(日本産米との)がはっきりと感じられる。

食感は悪くはないのだが、モチモチ感はなく、甘みも感じない。

「まずい!」って程の味ではないのだが、日本産米では通常かんじるあのお米の美味しい味っていうのが、感じられないのだ。

どっしり甘い、でもなければ、さっぱり食べやすい、って味でもない。

なんだろうね、あの味は。。。でも日本の安い外食店(餃子食べ放題のお店)でも、こんな感じの美味しくないお米を食べたことがあるから、日本産米のすべてが美味しくて、という話でもないとは思うのだが。

 f:id:mroneofthem:20190213001924j:image

ということで、通常はおかわり一度はするワタクシだが、ボタンでは一膳で箸を置いた。といっても、食べられない、とは思わなかったのだけど。

実際、カレーとかカツ丼とか、味の強いものとセットで食べるなら、ボタンでも気付く人は少ないのではなかろうかと思われる。そう考えると、コストにシビアな飲食店は、やっぱり安いお米を選んでしまうのは、仕方ないといえば仕方ない。

 

ちなみに、62歳の食べ物にあまり関心がない弊父親は、『THEつまみ食い』で試食前のご飯を勝手に食べていたのだが、それがいつものご飯と違うことにすら気付かなかった。。。ネタばらしをすると、「え?」と言っていたくらいだから。はぁ~美味しいお米があっても食べさせる気力がなくなるヤツ、ですね。

まぁそういう訳で、気にしない人にとっては米は何でもいいってのも、一つの真実かもしれない、としみじみ感じた一日でもありました。